SCENE106
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05SPACE QUEST 01KANAGAWA UNIVERSITY MINATO MIRAI CAMPUS内山 宗幸 氏Uchiyama ToshiyukiKimura Yoko[左]図書館は1階から2、3階までを吹き抜けとし、立体的につながる開放的な空間。 [右上]3階 図書館/イス、書架 [右下]3階 図書館/イス:SK-79A05、カウンターテーブル、書架本キャンパスは、「みなとみらい21地区(MM21)」に建つ初めての総合大学キャンパスとして完成したものです。MM21は観光・イベント、ショッピングの街であり、国際的な企業が集積するビジネスの街というイメージがありますが、近年高層マンションが増え、居住者が1万人に及ぶ生活の街でもあります。これを踏まえ、掲げたプロジェクトコンセプトが「Campus for Growth」です。キャンパスが学生の成長を促すのはもちろん、地域の人と街の成長にも寄与できるものにしたいという思いを込めました。また、構造・設計については、神奈川大学様から「アカデミックな雰囲気を保ちつつ、街に開かれたキャンパスであることも重視したい」という要望がありました。これを受け、敷地の中央に株式会社三菱地所設計建築設計二部 ユニットリーダー3学部の研究室、演習室が入る「高層部」を据え、周囲を取り囲むように、講義室や図書館、体育館などがある「低〜中層部」をずらしながら配置するセットバック形状としています。足元では塀を設けず敷地を前面の歩道と一体化させ、自由な出入りを可能にしました。これにより“街とつながる空間”から、高層部の閉じた空間へと緩やかにつながる連続性のある構造とし、キャンパス全体が人々を引き込む寛容さを印象付けています。一方、学生にとってキャンパスを歩きながら目にする友人の勉強する姿や部活動の風景、耳にする会話や多くの言葉は、好奇心を刺激し新しい学びの芽となる可能性があります。通常、エレベーターでの単調な上下移動しかない高層建築で、いかに自由に歩き回るという行為を可能にするか、「ウォーカブルな株式会社三菱地所設計建築設計二部 アーキテクト木村 陽子 氏最先端の都市型キャンパスが、学生と街を育てる

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