SCENE112
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10株式会社 安井建築設計事務所京都競馬場整備工事(スタンド工区)監理事務所 所長橋本 和典 氏Hashimoto Kazunori当社と京都競馬場の関わりは、1938年に創業者の安井武雄がスタンド設計に携わったことから始まります。以来改築を重ね、今回で5代目のスタンド改築となりました。デザインについては初代から受け継がれた優美な曲線の階段状の緑化テラスと、天然木と鉄骨のハイブリッド構造のブレースが特徴的な大庇がお客さまを迎えます。構造的には耐震性能に配慮し、法定の基準値を約25%上回る耐震性を確保。環境性能では太陽光発電による省エネ性とともに、外壁等のメンテナンス性などライフサイクルコストにも配慮した資材を用いています。また、お客さまの中には1日レースを楽しまれる方が多いため、屋外席も従来より広いものを採用し、屋内指定席に至っては、座席の快適性能にとことんこだわることで長時間の観戦にも耐えられるものにしました。例えば、従来後席テーブルの背板に固定されていた背もたれを10cm程度リクライニングできるようにし、クッションの硬さやサイズ、隣席との間隔についても検証を重ねています。また、コロナ禍が影響し、計画では全てペア席だったものを、半数近くシングル席を2席並べた仕様にしました。肘掛けも共用は止めて両席に設置することで、快適な距離感を保っています。さらに、競馬場全体の整備を通して、女性への配慮やファミリー層にも親しんでもらえる空間を各所に設置しました。生まれ変わった京都競馬場の愛称は、100周年にちなんだ「センテニアル・パーク」ですが、その名のとおり、昔の閉ざされた空間だった競馬場のイメージを払拭し、公園のような開放的な競馬場となったことを実感しています。淀駅からも至近で高架からも見ることができる当競馬場がこの地のランドマークとなり、競馬を愛する人はもちろん、競馬に興味のなかった人にも気軽にお越しいただける、地域に開かれた存在となることを願っています。4階 指定席フロア/[左]指定席は、ACコンセント、ドリンクホルダー、傘立てを付属し、快適な観戦環境を創出。約半数を占める「ペア席」も、肘掛けは個別に設置し、適度な距離感を保持している。 [右]固定席(ペア席):ATS-1322DR特注品、テーブル:SCF-PC-5505-T特注品まちに開かれた、公園のような競馬場へ

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