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学校図書館書架の対震比較実験

愛知株式会社(以下、弊社)は、名城大学(名古屋市)理工学部 立川剛研究室/宿里勝信研究室による 「学校図書館書架の対震比較実験」に共同参画し、地震発生時の図書館書架の構造・形状による、 転倒や書籍の落下などの危険性の違いを検証いたしました。 また、引き続き地震発生時の図書館における危険性の低減策の研究を開始しています。

研究の趣旨

1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災において、多くの図書館で 書架が転倒・崩壊、書籍が落下・散乱するなどの報告がされています。 また一方では学習指導要領の改訂により、学校図書館の利用頻度が高まりつつあります。 弊社は教育施設家具の専門メーカーとして、図書館書架の対震性を検証し、より安全性を高めることが必要であるとし、 住宅等の家具転倒防止活動を進める名城大学理工学部 立川剛研究室/宿里勝信研究室による研究に共同参画いたしました。

実験の概要

名城大学の3次元振動台を用いて、中置書架に対し加振・加震し、事後の書籍の落下量や、書架の初期位置からの 移動状態などを観察するものです。およそ震度5弱~5強相当の正弦波振動による加振実験と、 兵庫県南部地震JMA神戸波(阪神・淡路大震災の再現)による加震実験の2種類を、スチール製標準(両面垂直)書架および 木製標準(両面垂直)書架、木製両面全傾斜書架(2種)の計4種類の試験体に対して実施しました。

[以上、名城大学理工学部 立川剛/宿里勝信研究室による「学校図書館書架の対震比較実験」レポートより抜粋]

結果と考察の概要

家具や什器で、最も被害の大きなものは転倒による被害です。転倒は、直接的な被害はもちろん、避難経路の妨害・遮断などにも つながり、非常にリスキーなものです。今回の実験では、木製両面全傾斜書架のように書架全体と棚板に傾斜を少しつけるだけで 書架としての対震性能が向上することがわかりました。しかし、完璧な地震対策というものはとても難しく、利便性との兼ね合いも 必要です。また、対人の直接的被害の防止に加えて、図書館施設には資料の保護をする使命と、地震被害からの早急な復旧が 求められます。

[以上、名城大学理工学部 立川剛研究室/宿里勝信研究室による「学校図書館書架の対震比較実験」レポートより抜粋]

※「対震」について:一般的に建築構造物等が地震に対して破壊・損傷しないようにすることを「耐震」と表記しますが、当研究においては「地震・震動に対応する家具」という見地から「対震」と表記します。
(2014年1月)

【当情報に関するお問い合わせ先】
愛知株式会社 施設環境部
担当:小木曽薫(オギソカオル)
代表Tel/052-937-5934
直通Tel/052-937-5944